原文更新日 : 2005-11-02
翻訳更新日 : 2007-06-27
リンパ球は骨髄で作られ、感染や病気と闘います。リンパ球には次の3種類があります:
菌状息肉腫では、T細胞リンパ球ががん化し、皮膚が侵されます。セザリー症候群では、がん性のT細胞リンパ球により、皮膚や末梢血が侵されます。
菌状息肉腫とセザリー症候群は共に皮膚T細胞リンパ腫の一種です。本要約では、最も一般的な2種類の皮膚T細胞リンパ腫について説明します:菌状息肉腫とセザリー症候群。他の種類の皮膚がんや非ホジキンリンパ腫についての情報は、下記のPDQ要約をご覧ください:
菌状息肉腫とセザリー症候群は、下記の段階を踏みます:
セザリー症候群では、全身の皮膚が発赤し、かゆみを伴い、皮がむけ、痛みがあります。また、皮膚に紅斑、扁平浸潤、あるいは腫瘤がみられる場合もあります。がん性のT細胞が血液中に見つかります。菌状息肉腫が、必ずしもセザリー症候群に進行するとは限りません。
皮膚および血液を調べる検査により、菌状息肉腫やセザリー症候群の発見(検出)や診断が行われます。下記の検査および手法が用いられます:
予後(回復の見込み)や治療選択肢は、以下の項目により異なります:
菌状息肉腫とセザリー症候群は、治癒が困難です。通常、治療は緩和的で、症状を軽減し生活の質(QOL)を改善します。患者さんは、この病気を抱えながらも何年も生きることができます。
がんが皮膚から身体の他の部位に拡がっていないかどうかを確認する過程を、病期分類と呼んでいます。病期分類の過程で集めた情報によって、疾患の病期が決定されます。治療を計画する上で病期を知ることは重要なことです。病期分類には、下記の手段が用いられます:
I期は以下の通り、IA期とIB期に分けられます:
II期は以下の通り、IIA期とIIB期に分けられます:
III期では、皮膚のほとんどが発赤し、紅斑または扁平浸潤もしくは腫瘤が認められます。リンパ節が腫脹していることがありますが、がんはリンパ節に拡がっていません。
IV期IV期は以下の通り、IVA期とIVB期に分けられます:
菌状息肉腫とセザリー症候群の患者さんは、さまざまな種類の治療を受けることができます。複数の標準治療(現在用いられている治療法)に加えて、現在臨床試験で検証中の治療法もあります。治療を開始する前に、患者さんは臨床試験への参加を検討することができます。治療法の臨床試験とは、がんの患者さんのために、現在の治療法を改良したり、新しい治療法についての情報を集めたりすることを目的とした調査研究です。標準治療よりも新しい治療法の方が優れていると臨床試験で示された場合には、新しい治療法が標準治療となります。
臨床試験は米国各地で行われています。現在米国で行われている臨床試験についての情報は、NCI Web siteでご覧いただけます。最適ながん治療の選択は、患者さん、ご家族そして医療チームが関わって行うことが理想です。
5種類の標準治療が使用されています:光線力学療法とは、がん細胞を破壊するために、薬とある種のレーザー光を用いるがんの治療法です。光をあてると励起する薬を静脈に注射します。この薬は通常の細胞よりがん細胞に多く集まります。皮膚がんでは、レーザー光線を皮膚にあて薬を活性化し、がん細胞を殺します。光線力学療法によって、健常組織が損傷されることはほとんどありません。光線力学療法を受けている患者さんは、日に当たる時間を制限する必要があります。
ソラレン長波長紫外線(PUVA)療法と呼ばれるある種の光線力学療法では、患者さんがソラレンという薬を服用した後、皮膚に紫外線が照射されます。体外循環光化学療法と呼ばれる、もうひとつのタイプの光線力学療法では、患者さんが薬を服用した後に身体から血液細胞を採取し、特殊な紫外線A波を照射して身体に戻します。
放射線療法放射線療法とは、がん細胞を破壊するために高エネルギーのX線やその他の放射線を用いるがんの治療法です。放射線療法には、2種類あります。外照射療法では、身体の外側から機械を使いがんに向けて放射線を照射します。内照射療法では、針、シード、ワイヤー、カテーテルなどに放射性物質を封印し、これらをがんの中へ直接入れたり、がんの周囲に留置したりします。
時には、菌状息肉腫とセザリー症候群の治療に全身皮膚電子線(TSEB)放射線療法が用いられます。これは、電子と呼ばれる小さな粒子から成る光線で全身の皮膚を治療する放射線療法の一種です。
適用される放射線療法は、治療するがんの種類や病期によって異なります。
化学療法化学療法は、薬を使用しがん細胞の増殖を阻止するがんの治療法で、がん細胞を殺す、あるいはがん細胞の分裂を阻止します。化学療法が経口投与または静脈や筋肉への注射によって行われた場合、薬は血流に入り全身のがん細胞に到達することができます(全身化学療法)。化学療法が脊柱、臓器、または腹部などの体腔に直接留置する方法で行われた場合、薬は主にこれらの部位のがん細胞に作用します(局所化学療法)。時には、外用の化学療法薬も使われます(クリームやローションを皮膚に塗ります)。化学療法の処方は、治療中のがんの種類や病期によって決まります。
その他の薬物療法レチノイドはビタミンAに関係する薬で、ある種のがん細胞の成長を遅らせることができます。レチノイドは、経口投与か皮膚に塗布されます。
生物学的療法生物学的療法とは、がんと闘うために患者さんの免疫系を利用する治療法です。体内あるいは製造ラボで作られる物質を用いて、がんに対する体本来の防御力を増強、方向付け、あるいは修復します。このタイプのがん治療は、生物療法あるいは免疫療法とも呼ばれます。
特定の種類の生物学的療法が菌状息肉腫とセザリー症候群の治療に用いられますが、それらは下記の通りです:
この治療法は、高用量の抗がん剤と高線量の放射線を施し、これらのがん治療によって破壊された造血細胞を補完します。幹細胞(未熟な血液細胞)が、患者さんやドナーの骨髄または血液より採取され、凍結保存されます。治療が完了した後に、保存している幹細胞を解凍して、患者さんに戻すため注入します。これらの再注入された幹細胞は、血液細胞に成長し体内を巡ります。
本稿では、臨床試験で研究している個々の治療法について述べていますが、現在研究されている新しい治療法すべてを掲載しているわけではありません。現在米国で行われている臨床試験についての情報は、NCI Web siteでご覧いただけます。
I期の菌状息肉腫とセザリー症候群の治療法は、下記の通りです:
II期の菌状息肉腫とセザリー症候群の治療は緩和的で、下記のものが挙げられます:
III期の菌状息肉腫とセザリー症候群の治療は緩和的で、下記のものが挙げられます:
IV期の菌状息肉腫とセザリー症候群の治療は緩和的で、下記のものが挙げられます:
再発した菌状息肉腫およびセザリー症候群の治療法は、下記の通りです:
本稿では、臨床試験で研究している個々の治療法について述べていますが、現在研究されている新しい治療法すべてを掲載しているわけではありません。現在米国で行われている臨床試験についての情報は、NCI Web siteでご覧いただけます。