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原発不明転移性扁平上皮性頸部がん: 治療

原発不明転移性扁平上皮性頸部がんについての一般的な情報

原発不明転移性扁平上皮性頸部がんは、最初の発生部位が不明の扁平上皮がんが頸部のリンパ節に転移することで生じる疾患です。

扁平上皮細胞は薄く扁平な形をした細胞で、皮膚の表面を構成する組織や、口腔などの体腔の内面を覆う組織、尿管血管などの中空器官の内側を覆う組織、それに気道や消化管の内面を覆う組織などに存在しています。扁平上皮細胞が存在する臓器としては、食道腎臓、尿管などがあります。がんは、体のあらゆる部位の扁平上皮細胞から発生する可能性があり、また血液の流れやリンパ系を介して体の他の部位へと転移することがあります。

そしてこの扁平上皮細胞から発生したがん(扁平上皮がん)が頸部のリンパ節か鎖骨周囲のリンパ節に転移すると、そのがんは転移性扁平上皮性頸部がんと呼ばれます。転移性がんに対して効果のある治療法は原発腫瘍(最初に発生した腫瘍)に対する治療法と同一であることから、転移性がんが発見されると医師はこの原発腫瘍の探索を試みます。例えば、肺がんが頸部に転移した場合、頸部に存在するがん細胞は肺がん細胞であり、肺に発生したがんと同様の治療が行われます。しかし、ときとして、がんの最初の発生部位をどうしても発見できないという事態が発生してきます。検査を行っても原発腫瘍が発見できない場合、その腫瘍は潜在性原発腫瘍と呼ばれます。原発腫瘍を発見できない症例は実際に数多く存在しています。

原発不明の転移性扁平上皮性頸部がんの徴候として考えられるものに、頸部や咽頭のしこりや痛みがあります。

頸部や咽頭になかなか治らないしこりや痛みがある場合には、医師の診察を受ける必要があります。原発不明の転移性扁平上皮性頸部がんでは、このような症状が引き起こされることがあります。ただし別の病態が原因で同様の症状が生じてくる場合もあります。

原発不明の転移性扁平上皮性頸部がんの発見と診断には、頸部組織、気道、それに上部消化管を調べる検査法が用いられます。

ここでは原発腫瘍を探索するために、気道と上部消化管に属する器官と組織(口唇、口腔、舌、鼻、咽頭、声帯、食道と気管の一部など)を調べる検査と、泌尿生殖器系の気管と組織を調べる検査が行われます。以下のような検査法が用いられます:


潜在性原発腫瘍(原発不明)という診断は、検査中および治療中に原発腫瘍が発見されなかった場合に下されます。

特定の因子によって予後(回復の見込み)や治療法の選択肢が変わってきます。

予後(回復の見込み)と治療の選択を左右する因子には以下のものがあります:


治療の選択を左右する因子には以下のようなものもあります:



原発不明転移性扁平上皮性頸部がんの病期

体内でのがんの存在量や拡がりの程度を明らかにしていくプロセスのことを、病期分類と呼びます。原発不明転移性扁平上皮性頸部がんでは、この病期分類の方法に標準的なものはありません。この腫瘍は、未治療の腫瘍と再発した腫瘍に分けて表現されます。未治療の原発不明転移性扁平上皮性頸部がんとは、診断されたばかりの、まだ治療が施されていない(ただし、がんによる症状を緩和するためのものは除く)ものをいいます。

肝臓など、体の他の部位へのがんの転移の有無を明らかにするために、以下のような検査法や手技が用いられることがあります:



再発した原発不明転移性扁平上皮性頸部がん

再発した原発不明転移性扁平上皮性頸部がんとは、治療後に再び悪化(再発)したがんのことをいいます。再発は、頸部に起こることもあれば、体の別の部位に起こることもあります。


治療選択肢の概要

原発不明の転移性扁平上皮性頸部がんの患者さん全てに、治療法が存在します。

原発不明転移性扁平上皮性頸部がんの患者さんは、様々な治療を受けることができます。その中には標準治療(現在使用されている治療法)もあれば、臨床試験で検証中のものもあります。治療を開始する前に、まず臨床試験への参加を検討してみるのもよいでしょう。治療法の臨床試験とは、現在用いられている治療法の改善や、がんの新しい治療法に関する情報収集を目的とした調査研究のことです。新しい治療法が標準治療よりも優れているということが複数の臨床試験から示されると、その新しい治療法が標準治療となります。

臨床試験は米国各地で行われています。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。がん治療の選択では、患者さんとご家族に医療チームが加わって最適な治療法を決定していくのが理想的な形となります。

標準治療として以下の2種類が用いられています:
手術

手術では頸部郭清術が行われます。頸部郭清術は、切除する組織の量に応じていくつかの種類に分けられます。


たとえ医師が手術の際に確認できる全てのがんを切除したとしても、患者さんによっては、残っているがん細胞を全て死滅させるために、術後に放射線療法を実施する場合があります。このように治癒の可能性を高めるために手術の後に行われる治療は、術後補助療法と呼ばれます。

放射線療法

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線を利用することによってがん細胞を死滅させたりその増殖を阻止したりする、がんの治療法です。放射線療法には2種類のものがあります。外照射療法は、体外に設置された装置を用いてがんに放射線を照射する方法です。内照射療法は、針やシード、ワイヤー、カテーテルなどの器具の中に放射性物質を封入し、がんの内部または近くに直接留置する方法です。

頸部への放射線療法を実施すると、甲状腺の機能に変化が生じてくることがあります。そのためこの治療の実施前には甲状腺の検査が行われ、さらに実施後にも定期的な経過観察が行われていきます。

この他にも新しい治療法が臨床試験で検証されています。具体的には以下のようなものがあります:
化学療法

化学療法は、を用いてがん細胞を殺傷したりその細胞分裂を妨害したりすることによりがんの増殖を阻止する治療法です。化学療法が経口投与や静脈内または筋肉内への注射によって行われる場合、投与された薬は血流に入って全身のがん細胞に到達します(全身化学療法)。脊柱内や臓器内、もしくは腔などの体腔内に薬を直接注入する化学療法では、薬はその領域のがん細胞に集中的に作用します(局所化学療法)。

多分割放射線療法

多分割放射線療法とは放射線療法の一種で、1日の放射線の合計照射量を2分割またはそれ以上に分割にし、それを通常数時間の間隔を空けながら照射していくというものです。これは超分割照射療法とも呼ばれます。

本稿では、臨床試験で研究中の個々の治療法が記載されていますが、現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


原発不明転移性扁平上皮性頸部がんの治療選択肢


未治療の原発不明転移性扁平上皮性頸部がん

未治療の原発不明転移性扁平上皮性頸部がんの治療法には、以下のようなものがあります:


本稿では、臨床試験で研究中の個々の治療法が記載されていますが、現在研究中の新しい治療法の全てが紹介されているわけではありません。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


再発した原発不明転移性扁平上皮性頸部がん

再発した原発不明転移性扁平上皮性頸部がんの治療は、臨床試験の中で行われるのが通常となっています。現在進行中の臨床試験に関する情報は、米国国立がん研究所(NCI)のホームページから入手することができます。


2007-06-27