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卵巣がんの予防:  

予防の概要


予防

なぜがんになる人とならない人がいるのかは、医師にとっても必ずしも説明できることではありません。しかしそれでも、人口集団におけるがんの発生パターンの研究を通して、がんを発生しやすくする環境や生活習慣を明らかにしようとする努力が積み重ねられてきました。

疾患が発生する可能性を増大させるものは全て危険因子と呼ばれ、疾患が発生する可能性を減少させるものは全て防御因子と呼ばれます。がんの危険因子には回避できるものもありますが、回避できないものも数多くあります。例えば、喫煙をやめることはできても、親から子へと遺伝により受け継がれる遺伝子を自由に選ぶというわけにはいきません。喫煙習慣であれ特定の遺伝子の継承であれ、ある種のがんの危険因子として考えられる点に変わりはない一方で、喫煙習慣のみが回避可能となるのです。予防とは、こうした危険因子を回避するとともに制御可能な防御因子の影響を強めることによって、がんの発生する可能性を減らしていくことを意味します。

危険因子の多くは回避することができますが、たとえ危険因子を回避できても、それががんにならないことの保証になるわけではないということは覚えておかなければなりません。また、がんに対し特定の危険因子をもつ人でも、そのほとんどが実際にはがんを発症しません。他の人と比べて、がんの危険因子からの影響を受けやすい人もいます。ご自身に合ったがんの予防方法については担当の医師にご相談ください。


この要約の目的

卵巣がんの予防に関するこの要約は、以下のような目的で作成されています:


がんの予防法に関する事柄や、その予防法がご自身にとって有用となるかどうかについては、担当の医師または医療専門家に相談してみるとよいでしょう。


卵巣がんの予防

卵巣は、骨盤内に位置する女性の生殖器官です。その機能は、女性ホルモンを産生することと、卵子(精子との受精により成長して胎児となる細胞)を保存しておくことです。卵巣は2つあり、子宮の左右に1つずつ位置しています。

卵巣にできる腫瘍は、非がん性の組織増殖(嚢胞)の場合もあれば、他の部位に転移するがん性の組織増殖の場合もあります。


卵巣がんの重要性

米国では毎年、子宮がんによる死亡者数と子宮内膜がんによる死亡者数の合計を上回る数の女性が、卵巣がんが原因で死亡しています。生存率に大きな改善はみられておらず、またスクリーニングによる死亡率の低下も証明されていません。


卵巣がんの予防

卵巣がんでは、この疾患の危険因子として知られている因子の関与がときに認められます。全ての危険因子を回避することは不可能ですが、多くは軽減することができます。

年齢:卵巣がんの発生リスクは、年齢が上がるにつれて高くなっていきます。

経口避妊薬:経口避妊薬の使用により卵巣がんの発生リスクが低下するということが、複数の研究から示唆されています。経口避妊薬の使用期間が長いほどリスクの低下幅も大きくなるようです。経口避妊薬の使用をやめた後も、リスクは低いまま長期間維持されます。

出産と授乳:出産経験のある女性では、出産経験のない女性と比べて卵巣がん発生の可能性が低くなります。また、子供を母乳で育てた女性でも卵巣がん発生の可能性が低くなるということが、複数の研究から示されています。

卵管結紮術または子宮摘出術:卵管結紮術(避妊手術)か子宮摘出術を受けたことのある女性では卵巣がんの発生リスクが低くなるということが、複数の研究から示されています。

卵巣がんの家族歴:母親か姉妹が卵巣がんにかかったことのある女性では、卵巣がんの発生リスクが平均よりも高くなります。

予防的卵巣摘除術:家族歴から卵巣がんのリスクが非常に高いと考えられる女性の中には、予防的卵巣摘除術(両側の卵巣を摘出する手術)を受けることを選択する人もいます。しかし、この方法によって卵巣がんのリスクが回避できるということは証明されていませんし、卵巣を摘出したことによって望ましくない作用が生じてくる可能性もあります。この処置が自分に適切なものであるかを判断する際には、その前にこの処置の良い面と悪い面を慎重に検討することが重要です。

ホルモン補充療法/ホルモン療法:ホルモン補充療法(ホルモン療法とも呼ばれる)は、閉経後の女性での卵巣がんのリスクを増大させる場合があります。

生殖力を高めるための(排卵誘発剤)の服用についても卵巣がんのリスクとの関連性が指摘されてきました。さらに、肛門との間の部位への化粧パウダー(タルク)の使用と、脂肪を多く摂る習慣が、卵巣がんの危険因子ではないかと疑われています。ただし、これらの関係性はまだ正確にはわかっていません。


2007-06-27