原文更新日 : 2005-07-19
翻訳更新日 : 2007-06-27
副鼻腔がんと鼻腔がんは、副鼻腔か鼻腔の組織の中にがん(悪性)細胞ができる疾患です。副鼻腔とは鼻の周囲に存在するいくつかの小さな空洞のことです。この空洞は、粘液(鼻の内部を湿潤に保っている液体)を分泌する細胞の層で覆われていて、話したり歌を歌ったりする際にはその内部で音を反響させて声を作り出すという役割も果たしています。一方の鼻腔は鼻のすぐ奥に位置する空洞で、呼吸の際には体外と咽頭との間の空気の通り道となります。鼻の左右のふくらみの内側の部分は鼻前庭と呼ばれます。
副鼻腔はいくつか存在していて、鼻の上方にある前頭洞、上顎骨上部の両側にある上顎洞、鼻の上部の両側のすぐ裏にある篩骨洞(しこつどう)、篩骨洞の奥の頭蓋骨中心部にある蝶形骨洞などが含まれます。
副鼻腔がんと鼻腔がんでは、中咽頭の表面を覆う細胞から発生したものが最も多くみられます。非常にまれにはなりますが、副鼻腔がんと鼻腔がんがメラニン形成細胞と呼ばれる色素を生産する細胞から発生してくることもあり、そのような場合は黒色腫と呼ばれます。また筋肉か結合組織から発生した場合は、そのがんは肉腫と呼ばれます。この部位に発生するがんには、この他にも内反性乳頭腫と呼ばれるものもありますが、これは増殖の遅い腫瘍です。さらに副鼻腔や鼻腔には正中線肉芽腫と呼ばれるがんが発生することもあり、この腫瘍では周辺組織の破壊を伴います。
以下のような症状がある場合は医師の診察を受けてください:
これらの症状がある場合には、鏡とライトを用いた鼻の内部の診察が行われます。その後、CTスキャン(コンピュータを駆使した特殊なX線検査)やMRIスキャン(磁気のエネルギーを利用したX線検査に似た検査法)を実施して体内の画像を作成する場合もあります。特殊な器具(鼻腔鏡や鼻鏡などと呼ばれるもの)を鼻の中に挿入して、内部を観察する場合もあります。ここで異常な組織が発見された場合には、その組織を小さく切除し、顕微鏡で観察してがん細胞の有無を調べる検査が実施されることがあります。これは生検と呼ばれます。場合によっては、生検用に鼻腔や副鼻腔の切開が必要となることもあります。
回復の見込み(予後)は、鼻腔内または副鼻腔内でのがんの位置、がんが発生部位だけにとどまっているのか他の組織まで拡がっているのか(病期)、患者さんの全般的な健康状態などの要因に左右されます。
副鼻腔がんや鼻腔がんが発見されると、がん細胞の他の部位への転移の有無を明らかにするために、さらに検査が行われます。こうした検査の過程は病期分類と呼ばれます。治療計画を立てる上では病期を把握しておくことが重要になります。最も多くみられるいくつかの副鼻腔がんのそれぞれに対して、病期の分類法が考案されています。
上顎洞がんでは、以下の病期分類が用いられます:
0期では、がんが上顎洞の内面の最も浅い部分のみに認められます。0期のがんは上皮内がんとも呼ばれます。
II期では、がんが上顎洞の周囲の骨(口腔の天井部分や鼻骨など)まで拡がっていますが、上顎洞の後壁の骨にも頭蓋骨の底の部分にも達していません。
III期では、がんが以下の場所のいずれかに認められます:
もしくは
がんが同側の頸部リンパ節の1つに認められ(ただしそのリンパ節の大きさは3cm以下);さらに以下の場所のいずれかにもがんが認められます:
IV期はIVA期、IVB期、IVC期に分けられます。
IVA期
IVA期では、がんが同側の頸部リンパ節1つ(ただし3cmを超えるが6cm以下)に拡がっているか;もしくは対側を含めた頸部リンパ節の複数(ただし6cm以下)に拡がっていて;さらに以下の領域のいずれかにもがんが認められます:
もしくは
がんが複数の頸部リンパ節(ただし6cm以下)に拡がっていて、以下の領域のいずれかにも認められます:
IVB期
IVB期では、がんについて以下の条件が満たされます:
IVC期
IVC期では、がんが体の他の部位まで拡がっています。
鼻腔がんと篩骨洞(しこつどう)がんには、以下の病期分類が用いられます:
0期では、がんが鼻腔または篩骨洞の内面の最も浅い部分のみに認められます。0期のがんは上皮内がんとも呼ばれます。
I期では、がんが1つの領域(鼻腔内または篩骨洞内の領域)のみに認められ、骨に拡がっていることもあります。
II期では、がんが2つの領域(鼻腔内または篩骨洞内の領域)に認められるか、もしくは付近の領域に拡がっています;骨に拡がっていることもあります。
III期では、がんが以下の場所のいずれかに認められます:
もしくは
がんが同側の頸部リンパ節の1つに認められ(ただしそのリンパ節の大きさは3cm以下);さらに以下の場所のいずれかにもがんが認められます:
IV期はIVA期、IVB期、IVC期に分けられます。
IVA期
IVA期では、がんが同側の頸部リンパ節1つ(ただしその大きさは3cmを超えるが6cm以下)に拡がっているか、もしくは対側を含めた頸部リンパ節の複数(ただし6cm以下)に拡がっています;さらに以下の場所のいずれかにもがんが認められます:
もしくは
がんが1つまたは複数の頸部リンパ節(ただしその大きさは6cm以下)に拡がっていて;さらに以下の場所のいずれかにも認められます:
IVB期
IVB期では、がんが以下の領域のいずれかに認められます:
がんが1つまたは複数のリンパ節に認められることもあります。
もしくは
大きさが6cmを超えるリンパ節にがんが認められる。
IVC期
IVC期では、がんが体の他の部位まで拡がっています。
再発がんとは、治療後に再び悪化(再発)したがんのことをいいます。再発は、副鼻腔や鼻腔に起こることもあれば、体の別の部位に起こることもあります。
副鼻腔がんと鼻腔がんの患者さん全てに、治療法が存在します。以下の3種類の治療法が用いられています:
副鼻腔がんや鼻腔がんでは、手術による腫瘍の摘出が一般的に行われています。しかしがんの位置やその拡がりの程度によっては、がんの周囲にある骨や組織まで切除しなければならない場合もあります。がんが頸部のリンパ節まで拡がっている場合には、そのリンパ節の切除(リンパ節郭清)が行われることもあります。
放射線療法もまた、副鼻腔がんと鼻腔がんでは一般的に用いられている治療法です。放射線療法では、高エネルギーのX線を利用してがん細胞を殺傷することによって腫瘍を縮小させます。体外の装置から放射線を照射する方法(外照射療法)と、放射線を発生させる物質(放射性同位元素)を、プラスチック製の細い管を通してがん細胞が存在する部位まで送り込む方法(内照射療法)があります。 甲状腺か下垂体に対して放射線の外照射を実施すると、甲状腺の機能の状態に変化が生じてくる場合があります。そのためこの治療の前後には、甲状腺が適切に機能しているかを確認するために甲状腺の検査が実施されることがあります。
化学療法では、がん細胞を死滅させることを目的として薬が使用されます。化学療法に用いられる薬は、錠剤として経口投与されるか、あるいは静注または筋注で投与されます。化学療法は、薬が血流に乗って体中をめぐることにより全身のがん細胞を殺傷できることから、全身療法とも呼ばれています。
発声や呼吸に関係するというこの器官の機能の重要性や顔に隣接しているというその位置的な問題から、副鼻腔がんや鼻腔がんの患者さんには、がんの副作用や治療の副作用に適応していくための特別な支援が必要となってきます。そのため最適な治療法を決定するには、担当の医師と他の分野の医師との協力が必要になります。また治療後の回復過程においても、専門の訓練を受けた医療スタッフによる支援が有用となります。副鼻腔や鼻腔の周囲の組織や骨を大量に切除した場合には、形成手術の実施が必要になることもあります。
副鼻腔がんと鼻腔がんの治療法は、がんの位置や病期、年齢、健康状態などによって異なってきます。
過去の研究で有効性が実証されている標準治療の実施を検討してもよいですし、臨床試験への参加を検討してもよいでしょう。全ての患者さんが標準治療で治癒するとは限りませんし、一部の標準治療では副作用が予想以上に強く現れる場合もあります。このような理由から、より良いがんの治療法を見い出すために、最新の情報に基づいた臨床試験が計画されています。副鼻腔がんと鼻腔がんについては、米国の一部の地域で臨床試験が実施されています。
治療法はがんの種類とその位置によって異なります。
がんが上顎洞にある場合の治療法は、手術によるがんの摘出となるのが通常です。手術後に放射線療法が実施される場合もあります。
がんが篩骨洞にある場合の治療法には、以下のようなものがあります:
がんが蝶形骨洞にある場合の治療法は上咽頭がんの場合と同じで、大抵の場合放射線療法となり、場合によりこれに化学療法が併用されます。(さらに詳しい情報については、PDQの上咽頭がんの治療に関する要約をご覧ください。)
がんが鼻腔内にある場合の治療法は、手術か放射線療法もしくはその両方になるでしょう。
がんが内反性乳頭腫である場合の治療法は、手術となるのが通常です。手術後に再発した場合には、再手術か放射線療法が実施されます。
がんが黒色腫か肉腫である場合の治療法は、手術となるのが通常です。ある特定の種類の肉腫に対しては、手術、放射線療法、化学療法の三者併用の治療が実施されることもあります。
がんが正中線肉芽腫である場合の治療法は、放射線療法となるのが通常です。
治療法はがんの種類とその位置によって異なります。
がんが上顎洞にある場合の治療法は、手術によるがんの摘出となるのが通常です。さらに手術の前か後に放射線療法が実施されます。
がんが篩骨洞にある場合の治療法には、以下のようなものがあります:
がんが蝶形骨洞にある場合の治療法は上咽頭がんの場合と同じで、大抵の場合放射線療法となり、場合によりこれに化学療法が併用されます。(さらに詳しい情報については、PDQの上咽頭がんの治療に関する要約をご覧ください。)
がんが鼻腔内にある場合の治療法には、以下のようなものがあります:
がんが内反性乳頭腫である場合の治療法は、手術となるのが通常です。手術後に再発した場合には、再手術か放射線療法が実施されます。
がんが黒色腫か肉腫である場合の治療法は、手術となるのが通常です。ある特定の種類の肉腫に対しては、手術、放射線療法、化学療法の三者併用の治療が実施されることもあります。
がんが正中線肉芽腫である場合の治療法は、放射線療法となるのが通常です。
治療法はがんの種類とその位置によって異なります。
がんが上顎洞にある場合の治療法には、以下のようなものがあります:
がんが篩骨洞にある場合の治療法には、以下のようなものがあります:
がんが蝶形骨洞にある場合の治療法は上咽頭がんの場合と同じで、大抵の場合放射線療法となり、場合によりこれに化学療法が併用されます。(さらに詳しい情報については、PDQの上咽頭がんの治療に関する要約をご覧ください。)
がんが鼻腔内にある場合の治療法には、以下のようなものがあります:
がんが内反性乳頭腫である場合の治療法は、手術となるのが通常です。手術後に再発した場合には、再手術か放射線療法が実施されます。
がんが黒色腫か肉腫である場合の治療法は、手術となるのが通常です。手術によるがんの摘出が不可能な場合には、放射線療法が実施されます。ある特定の種類の肉腫に対しては、手術、放射線療法、化学療法の三者併用の治療が実施されることもあります。
がんが正中線肉芽腫である場合の治療法は、放射線療法となるのが通常です。
がんが鼻の内部(鼻前庭)にある場合の治療法には、以下のようなものがあります:
治療法はがんの種類とその位置によって異なります。
がんが上顎洞にある場合の治療法には、以下のようなものがあります:
がんが篩骨洞にある場合の治療法には、以下のようなものがあります:
がんが蝶形骨洞にある場合の治療法は上咽頭がんの場合と同じであり、具体的には以下のようなものがあります:
(さらに詳しい情報については、PDQの上咽頭がんの治療に関する要約をご覧ください。)
がんが鼻腔内にある場合の治療法には、以下のようなものがあります:
がんが内反性乳頭腫である場合の治療法には、以下のようなものがあります:
がんが黒色腫か肉腫である場合の治療法には、以下のようなものがあります:
がんが正中線肉芽腫である場合の治療法には、以下のようなものがあります:
がんが鼻の内部(鼻前庭)にある場合の治療法には、以下のようなものがあります:
治療法はがんの種類、がんの位置、以前の治療法などによって異なってきます。
がんが上顎洞にある場合の治療法には、以下のようなものがあります:
がんが篩骨洞にある場合の治療法には、以下のようなものがあります:
がんが蝶形骨洞にある場合の治療法は、放射線療法となるのが通常です。放射線療法で効果がみられない場合は、化学療法が行われます。
がんが鼻腔内にある場合の治療法には、以下のようなものがあります:
がんが内反性乳頭腫である場合の治療法は、手術となるのが通常です。手術後に再発した場合には、再手術か放射線療法が実施されます。
がんが黒色腫か肉腫である場合の治療法は、手術か化学療法となるでしょう。
がんが正中線肉芽腫である場合の治療法は、放射線療法となるのが通常です。
がんが鼻の内部(鼻前庭)にある場合の治療法には、以下のようなものがあります: